河川VR 特集

河川に学ぶ、VR体験

河川と人間とのかかわりは、非常に古く、文明発生の拠点になるものです。
河川は、人間の心性にかかわる文化をはぐくんできました。
それぞれの特徴ある川を理解することは、人間社会の学びとなります。

東京都では、河川施設見学を体験するためのVRコンテンツサイトを制作しました。
このサイトは、「東京の川を歩こうバーチャルツアー」と「河川施設バーチャルツアー」の2つで構成されています。
バーチャルツアーでは、普段見られない河川施設内部の360°画像が見学できます。
また、川の上空からドローンで撮影した360°動画などを用いて、自然豊かな水辺の散策などを疑似体験することもできます。

「東京の川を歩こうバーチャルツアー」では、川の上空からドローンで撮影した動画などを用いて、水辺を散策することができます。
マウス操作やタブレット端末を使って、紅葉や渓谷美などの大自然を満喫できます。
「河川施設バーチャルツアー」では、普段見られない河川施設内部を見ることができます。
さらに、一部のコンテンツでは施設内を見学しながら、設備が動く様子などの動画や施設に関するクイズも楽しめます。

【河川施設バーチャルツアー】
神田川・環状七号線地下調節池、荏原調節池(目黒川)、白子川地下調節池・比丘尼橋下流調節池、白丸ダム魚道、古川地下調節池、船入場調節池、妙正寺川第一調節池、妙正寺川第二調節池、上高田調節池、落合調節池、鷺宮調節池、和田堀第六調節池、比丘尼橋上流調節池、霞川調節池、金山調節池、黒目橋調節池、野川第一・第二調節池、扇橋閘門

国土交通省の河川審議会では、「川に学ぶ」ことの重要性を訴えています。
河川は農耕地を潤すものとして必要不可欠なものです。
また、水流による移動・運搬などの手段としても重要です。
しかし、時に大規模な氾濫を生じ、人間の生存を脅かす存在でもあります。
そのため、治水も河川と人間とのかかわりのもう一つの大きなテーマです。
利水と治水という点で、人類はつねに大きな努力を払い、川と向きあってきました。
川は自然環境の豊さであり、そこには多様で特殊な生態系が見られたことです。
川の美しい景観を形成するとともに、新鮮な食物を供給するものであります。
川は近隣の地域住民にとっても貴重な自然体験、交流の場でもありました。
そのような歴史が、地域の文化を育んできたともいえます。
生命の尊さ、自然の法則や仕組みを理解することができるものです。
河川は、人間と自然とのかかわりのすべてを多様にかつ端的、かつ具体的に示す場であることによって、環境教育の場としても優れています。

環境教育の目的は、人と環境とのかかわりについて理解を深め、責任ある行動をとれるようにすることです。
環境教育は、急速に変化している世界に敏感でなければなりません。
広範な学際的知識によって、自然と人間活動との深い相互関係についての認識を深める必要があります。
そして、現代社会の中で疲れた心を癒し、生きる活力を取り戻す場でもあります。

Think Globally, Act Locally(地球規模で考え、足もとから行動を)というスローガンがあります。
私たちのすぐ身近に存在している川は、一人一人が学び、行動する場として、非常に優れています。
以前の川は、生活と身近なものでした。
現在では、川の水質悪化や護岸構造は、人を川から物理的・心理的に遠ざけてしまっています。
このような状態では、川の価値を十分活かされているとは言えません。
川に学び、社会を築いていくことは、地球環境の保全に直結する課題です。