橿原湿原

唐津市七山の山間地に位置する樫原（かしばる）湿原は、特に優れた自然環境を有する地区として自然環境保全地域特別地区に指定され、九州の尾瀬ともよばれる豊富な湧き水で形成された湿原です。
標高600メートル、約12万平方メートルの美しい湿地帯は、手つかずの自然が広がり約60種類の珍しい湿原植物に、昆虫や野鳥などが生息する楽園となっています。
また四季を通じて様々な表情を見せてくれる景勝地としても知られ、春には氷河期の残存植物とされるミツガシワが釣り鐘型の可憐な花をつけ、春から夏にかけてはトキ草やヒツジ草、ジュンサイ、鳥のサギに似たサギ草が美しい花をつけます。秋にはタヌキモやミミカキグサ類などの食虫植物の花が目立つようになり、コイヌノハナヒゲの群落が一斉に花をつけ、ヨシキリの鳴き声が秋の深まりを感じさせてくれます。そして冬には白一色の銀世界が広がり、見事な四季の移ろいが楽しめます。
樫原湿原内では、立木の採取や伐採などは禁止されています。この貴重な自然を大切にしましょう。