四天王寺　五重塔

四天王寺は、大阪天王寺区の中心部、大阪の街を一望する上町台地にある聖徳太子建立七大寺の中の1つであり、日本仏法最初の官寺。
593年の推古天皇元年に、聖徳太子自身が四天王像を彫り、これを安置するために建立された和宗総本山四天王寺です。飛鳥寺と並んで仏教寺院として本格的なものとしては最古のものでもあります。
この境内にあるのが、幾度も再建されたことで有名な五重塔です。
法隆寺が多数の建築や美術品は時代を超えて残ることが多いことに比較して、市中にある四天王寺は、建立からわずかの間にでさえ度重なる台風や落雷などによって五重塔や全山を失うこともしばしばありました。
古くは836年の落雷で五重塔が、960年には火災で全山が、1361年には地震で金堂が倒壊後に復興されたものの、応仁の乱では放火により再度失わされています。1576年には天王寺の戦いで織田軍による放火で全焼、1614年には大坂冬の陣で焼失。さらに1934年には室戸台風で五重塔が前回、1945年には大阪大空襲で中心伽藍や東大門、五重塔等が消失。
現在の五重塔は1963年に完成した飛鳥建築様式のもので、初の鉄筋コンクリート製。8代目となります。
この不死鳥のように幾度もよみがえる姿が、古来より人々の信仰を高めてさせてきました。
重文含め建物自体も非常に見るところは多く、本堂や五重塔は有料で拝観できる場所もあります。