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海陽町立博物館
刀剣、古銭など中世日本の歴史に触れられる場所
徳島県海陽町は、徳島県南部に位置する海に面した町です。古くから海運で栄えてきた歴史ある地域で、町の歴史などを学べる阿波海南文化村という複合施設があります。ここでは、施設のひとつである海陽町立博物館についてご紹介します。
海陽町の歴史
海陽町は海に面した立地から、古くから海上交通で栄えました。四国地方で伐採された木材を京都などへ運ぶ海路の要所として発展し、当時の阿波国(徳島)は四国一の海運力を誇りました。この地にあった海部港は、四国随一の港として京都でも知られた存在でした。海陽町には、当時の様子を偲ぶものが多くあり、それらは海陽町立博物館に納められています。
海陽町立博物館について
海陽町の歴史や文化遺産の紹介を目的として、阿波海南文化村内に建てられた公立の博物館です。特に中世の展示品が多く、海運で栄えたこの地域の面影を知ることができます。主な展示品は、海部刀・古銭などがあり、特に海部刀のコレクションが有名です。その他に大里古墳のジオラマなどもあり、地域の歴史を楽しく学ぶことができます。
海部刀コレクション
海部刀は日本刀の一種で、中世のこの地域に勢力を持っていた海部氏の奨励を受け作られた刀です。様々な武将が愛用し、大坂冬の陣にて海部刀が使用されたことも知られています。この刀は鎌倉時代から幕末まで作られており、美術刀としても愛好されています。海陽町立博物館に収蔵されているコレクションは、質量ともに全国屈指として知られています。
大里古銭
地中に埋められた備前焼の大壺に入っていた大量の古銭で、1978年に個人宅で偶然に発見されました。当時の中国などで流通していた貨幣であり、それらから14世紀後半ごろに埋められたものと推測されています。古銭は7万枚を超え、全国でも屈指の枚数を誇ります。当時の日本では大陸で流通していた通貨での取引が一般的であり、当時の海運による地域の繁栄ぶりがうかがえる重要な資料となっています。
まとめ
ここでは海陽町立博物館についてご紹介しました。阿波海南文化村には、他にも藍染や木工体験のできる工芸館や飲食スペースなどのある三幸館などがありますので、1日たっぷりと楽しむことができます。藍染や木工体験は予約制となっていますので、お問い合わせをお願いします。海陽町で、徳島の歴史と文化に触れる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。